(思考の整理学)頭の中を整理して、アイデアをバンバン出せる「デキる自分」へ
書店で度々目にした人もいるのではないでしょうか。
京大生や東大生に人気の謳い文句でおなじみ、「思考の整理学」。
自分はこの本を目にしたとき、「何だこの意識高そうな本は。でもこの本持ってたら頭いいやつぶれそう。」という理由から購入を決めました。
決して、東大生やら京大生やらのブランドに惑わされ、恥ずかしがりながらも、レジに本を持って行ったわけではありません。
さて、簡単にいうとこの本は、頭の中のアイデアだったり、そのアイデアを活かすための筋道だったりが浮かばない人のために、頭の中を整理する方法を教える、という本です。
特に「卒業論文のテーマが浮かばない......」とか「仕事でアイデアを出せといわれたけど、全く思いつかない!」という人達におすすめです。
なぜなら、おそらくそういった人たちはアイデアがないわけではなく、頭の中が整理されておらず、情報がうまく結びついてアイデアにならないから、悩んでしまうためです。
うまくこの本に書かれている方法を取り入れられれば、「全く考えがまとまらない」とか「アイデアがまるで浮かばない」といったことはなくなるはずです。
そんなお役立ち本である思考の整理学について、3つほど個人的に気になったポイントを紹介したいと思います。
創造的な人間の必要性
コンピューターが普及しだしてから、メモリー(記憶)を残すという意味で人間は明らかに太刀打ちできません。
昨日の朝飯すらおぼろげな人間に対し、コンピューターはその使い方次第で10年前の朝飯の内容と盛りつけられたお皿の配置まで記憶することができるからです。
そういった意味でメモリーを残す「倉庫」的な機能よりも、あらゆる情報を取捨選択して価値のあるものをつくり上げ創造的な人間になることに意義がある、というふうに作者は言うわけです。
「なるほど、言われてみればそうだな」、と自分なんかはこの考えに素直に揺さぶられました。
逆にコンピューターには、一見関係ない事柄を結びつけ新しいものを作り出すなどといったことは、今のところできていないわけですから、「人間の独壇場はまだあるぜ!」と無性に嬉しくなった自分がいました。
創造的な人間になるために必要な価値観
さて、創造的な人間になるためには、ただ物事を記憶するだけではなく、自分にとって本当に必要な情報だけを集め、質の高い頭の中を実現する必要があります。
そこでポイントになるのが、価値観です。
人は価値観によって、物事を忘れたり、その逆に深く記憶の中にとどめておくことができます。
要は自分の好きなもののことはよく覚えるけど、大して興味のないものに関してはすぐ忘れるということです。
自分であれば、「ミスター味っ子の18巻は、梨のタレと遠赤外線の焼き肉の話と豚の血で作ったソーセージがでてきて面白かったなぁ」という漫画のことは覚えているけれども、「あれ、2次関数ってなんだっけ?第2次世界大戦の後に作られた関数のことだっけか?」といったように数学のこととなると異様に記憶力が悪い、という例があてはまります。
自分の価値観(何が好きで、何が嫌いか)をしっかりと持つことで、自分にとって不必要と感じた情報はゴミ箱にポーイされ、自分にとって必要な情報のみが頭の中を満たしてくれ、頭の中がシャッキリと整理されるということです。
それにより、アイデアが出やすくなったり、筋道が立てやすくなったり。価値観を定めるということは創造的な人間になるために、一役買ってくれます。
とにかく表現しよう
頭の中を整理する方法はまだあります。自分的にはこれが1番頭の整理にはおすすめかと。手軽だし。
それは、表現することです。
具体的には、紙に書いたり、紙に書いた内容を書きなおしてみたり、それを声に出したりといったことが挙げられます。
紙に書くことで、「あ、これは関係なかったな。でもこれは関連させられるかも!」といったように、目に見える形にすることで、頭の中がまとまります。
人間はあまり頭がよくないので、目に見える形になって、初めてわかることがたくさんある、ということです。頭の中で完璧にイメージとか、プランを細部まで考えられる人なんて、周りを見てもほとんどいないはず。
また、書き直す、声に出すという行為には整理だけでなく、つくりあげたものをより高いレベルに引き上げる、濾すという意味合いもあります。
「あれ、ここ改めて読んでみるとなんか変だな」、「声に出すと、文章のリズムが悪くて、途中で引っかかる」といったバグに気がつくことができ、それを修正していくことで、ザシュザシュと内容を磨き上げることができるからです。
自分で試して引っかかるなら他人もきっとそう思うわけで、客観的な視点を持つためにも、書き直す、文章を声に出す、というのは最高の方法であると思います。
というわけで、アイデアがまとまらないときは、紙に書く→書き直す→声に出す、という手順でやってみると、自分でも驚くようなアイデアが浮かんでくるかもしれません。
紙に書くのが面倒という人はパソコンに入ってるメモ帳なんかを使ってみてもいいかもしれませんが、手書きの方が頭の中に定着するらしいので、手書きがおすすめです。
最後に
この本はあくまで「あたしゃこの方法で、結構頭の中がうまくいってんだ。まぁよかったら参考にしんしゃい」というスタンスで書かれた、エッセイに近い本です。
なので、誰にでも当てはまる頭の中の整理方法とは言い難いところがあります。
ただ、自分は実践してみて、かなりいい感じに頭の中が整理されていたので、はまる人にははまるのではないかな?と思います。
ちなみに、この記事で紹介しなかったところでも、きっとためになる部分があると思います。「情報のメタ化」、「発酵」、「寝かせる」などなど。
はい、というわけで興味がある人はぜひ読んでみてください。
- 作者: 外山滋比古
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